今後の教育
3年間の研究生活と8年間の小学校教員生活を経て、今幼児教育に志して3年目を迎えようとしています。
現在も尚、未曽有の新型コロナウィルスによる影響により、世界中で亡くなられた方々、そしてそのご家族ご友人に謹んで哀悼の意を表します。
また経済活動における飲食業や観光業をはじめとした中小企業や大企業の方々の今後の不安に心を痛めております。
認可外保育教育施設である我々も同じ状況でございます。
その中で「教育者」というような偉そうなことは言えませんが、「保育・教育」に携わる身として、この様な時期だからこそ、今後の子ども達の成長、これからの教育について考えたいと思います。
長期間の自宅待機と新学期、新学年、進学で大きな期待を膨らませていた子ども達にも少なからず様々な影響が出ていると思われます。保護者の方々も外で働く大人たちと同じように先行きの見えない毎日の中、不安な日々を過ごされていることと思います。
一方で、この度のコロナウイルスの影響で、自宅にいる子どもたちの為に様々なオンラインによる学習や授業のコンテンツが現れてまいりました。
これはインターネット時代の潮流に合った大変有意義なコンテンツであると思われます。これらが更に洗練されていくことでしょう。
今の子ども達、これからの子ども達は我々より明らかにデジタルコンテンツやオンラインに慣れ親しみ、生活の大きな1部となることは言うまでもありません。
これまで、学校や幼稚園に行きづらくなった子ども達にも平等に教育が受けられる機会となり、学校そのものに行くこと自体も「選択」して良い、時代が来るのではないかと考えております。
このオンラインやデジタルコンテンツを上手に使いこなしながら、幼少期、少年期を自分の選択が尊重される義務教育の一端を担ってくれることを期待しております。
一方、オフラインで直接会って話すことの重要性も今回、明らかになったのではないでしょうか。人と人が直接交わって、温度を感じながら交流することの大切さも同時に浮かんできたことと思います。
これを踏まえて、やはり幼少期には自分の尊厳の認められる環境でいること、画一的なカリキュラムにとらわれることのない学びたいときに学ぶことのできる、昨年の教育フォーラムで東京学芸大学の松田恵示先生が唱えていた「ジャストインタイム教育」の考え方が大切になってくるものと思われます。
早くから異年齢で過ごし、整えられた環境の中で、勤勉な大人の援助の元、健やかに幼少期、少年期を子ども達に過ごして欲しいと切に願います。
もう大人が「いい学校に入っていい大学に行けば幸せが待っているんだ。」という時代は終焉を迎えております。
早期教育、インターナショナル教育のプレミアはどこにもございません。
自分の進む道は自分で決められるように大人である我々が共に考え援助してあげることが大切であると思います。
また、今回のような誰もが予想しない出来事や社会情勢の中、「平和」を心に、他者と協力できる優しさの持った社会を構築できる人材になって欲しいと考えます。
SNSでは様々な憶測や情報が行き交い、人類にとって本当の意味で情報リテラシーが求められる事態となりました。
子ども達にも使い慣れた来るべき、いや到来して切っても切り離せないデジタル社会の中で、先に生きる大人が子ども達の為にできることを考え続けていきたいと思います。
私自身も今はじっと耐え忍び、協力、協働しながら子どもの未来の社会を考えて行きたいと思っております。
素敵な椅子
園舎春休みの中、日頃、弊園舎をご利用いただいておりますマルキン家具の代表者様より素敵な椅子を本日ご寄贈頂きました。
子どもの姿勢を大切に考えられたこの椅子。デザインもさることながら機能性も十分なエビデンスのもと作られたというもの。
今回まさに家具についてのプロフェッショナルである代表者様より多くの刺激を頂戴し、またこのお気持ちにお応えできるよう、身の引き締まるひと時でした。
本気で子ども達の成長を願う大人の力、これが社会を教育を良い方向に向かわせる鍵だと思っております。
子ども達がこの椅子に座っておしごとをする姿を想像すると、とても嬉しくなります。
未曽有の新型コロナの蔓延。先行きがわからない状況の中、弊園舎もしっかりと情報をキャッチアップし、子ども達、保護者の皆さま、スタッフにとっての最善を判断してまいりたいと思います。
保護者の皆さまの願い
体験入園を終えるにあたり、ご体験頂いた保護者の方々に「お子様への将来の願い」をご意見を聞かせて頂きました。
保護者の皆さまは子ども達の職業などに大きな期待をしているということではなく、自分で考え想像し、自分で選択した人生に満足をし、それが周りの人の役に立つ人生を歩んで欲しいということでありました。
私も全くの同意見であり、そのお子さまを想う心に感動いたしました。
しかしながら、その為の「プロセス」について少し考えたいと思います。
それは「本当の意味での主体性」です。誰もが人生を大満足して生きたいと願い、大切な人がそうあってくれれば幸せであると考えます。
そこにはたくさんの生活する技能や各感覚器官が一気に成長する「幼少期」の日々の過ごし方が最重要であると考えます。
それは「学力」や「偏差値の高い学校」ということではなく、幼少期に自分の尊厳を認められ、満たされた心と環境の中で適切な時期に思考や言語、そして様々なことが出来るようになる自信を得るための自己選択の経験を繰り返すことが大事であると思います。
進学塾や有名進学校に通うにはやはり「競争」という原理がどうしても働いてきてしまいます。人生は他の誰かと比べるものではなく、丸い球体をそれぞれが走ったり歩いたりし、その他の誰かとは協力して生きていくものであると考えます。
この体験を通して、子ども達は根本的に本当に優しく、順応性があり、そして勇気があるのだということを痛感させられました。
どうか、子ども達の幼少期、少年期が信頼できる大人と自由が保障される環境の中で、「自己選択」と「小さな成功体験」繰り返して欲しいと願います。子ども達の自分の進路は是非自分で決めて欲しい。どの学校に行くのか、はたして行かないのか。どの職業につくのか。どんな人生を歩むのか。世界は時代を経るにあたり日々変化を続けております。これまでの学力主義、終身雇用制度は終焉を迎えます。
保護者の皆様には「最高の理解者」であり、どんなことがあっても「常に味方」であって欲しいと願っております。
平和教育
子ども達の様子を見ていると、小さな諍いでも自分たちで殆ど解決しているように思います。
モンテッソーリの「平和を創るのは教育の仕事である」という言葉は本当にその通りだと思います。
子ども達は本当に友だちに優しく、自分にも優しい。そして我々大人にも優しいと感じたことは小学校教員生活よりその思いが変わったことはありません。
それなのになぜ大人になるにつれて他人を傷つけ自分を傷つけてしまうのでしょうか。それはやはり「環境」と子どもの吸収することに対する「大人の行動」が多いに関係しているように思います。
我々大人が子どもの自由を保障し、尊厳を認め、それによる責任と自律を子ども達が染みていて他者の意見と折り合いをつけていくことが出来る。
子ども達はいつも外で思い切り遊んで帰って来た後、冷えた園舎のお茶を分け与えながら飲みます。
金銭的ではなく本当に意味で精神的に満たされるということを経験していくことが、「平和」への第1歩になっていくものだと信じる中、大人も常に平和を願い行動していくことが重要であるとそれが平和教育に繋がっていくと信じております。
子どもたちの力
初めての母子分離。保護者の皆様には子どもを小さな社会に出す第1歩となります。
すぐに環境に馴染める子、泣いてしまって中々園に入れない子。全員の個性が多いに出る中、お母さんたちは断腸の思いで子どもたちを預けに来てくれます。
我々もその想いに応えるべく、一人ひとりに合わせた方法を保護者の皆さまと相談しながら考えていきます。
やはり、そこで鍵になるのは「子どもを信じること」だと考えております。高津学院でも初めての園児には、体験からお昼までの慣らし登園という流れをとっております。
今回の体験では大泣きしてしまう子どももいました。しかしながらお母さんが決断し我々にゆだねてくださり、朝泣いていた子が今は元気におしごとに取り組んでいます。友だちと自然と会話し、自分の思う「おしごと」に取り組む姿に感動せざるを得ません。まさに「子どもの家」となってきています。
母子分離には様々な見解があると思いますが、受け入れ側は子どもが「安心」できる環境(場所・教師)をしっかりと整え、保護者の皆さまの想いを汲み、やはり最後は子ども自身の環境への順応性を信じてあげることが大切であると思いました。
子どもの力、お母さんをはじめとした保護者に皆様の決断、モンテッソーリ教育の環境。この3者が同じ方向で揃えば子どもが「自立」に向かうものであると、子ども達から日々学ぶことが出来ることに感謝しています。
新型コロナウィルスの対応について
3月2日現在、大阪市の認可外保育施設の方針に準拠する形での開園となりますが、以下の場合登園をお断りさせて頂いておりますので、よろしくお願いします。
○ 登園前に体温計測を実施 発熱(37.5 度以上)や呼吸器症状がある
〇 24 時間以内に 37.5 度以上の発熱があった場合
また日々の健康観察についても保護者の皆様には充分 にご配慮いただきますようよろしくお願い申し上げます。
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