モンテッソーリ教育講演会
今年度初の園舎主催(大阪市天王寺区後援)モンテッソーリ教育講演会のお知らせです。
毎回多くの保護者の皆様にご参加いただいております、当園の教育講演会は遂に!九州のAMI国際モンテッソーリ教師トレーナーの大原青子先生にお越しいただけることとなりました!!
長年のご経験、モンテッソーリ教育に関する深い見識。
是非、ご来場いただき、モンテッソーリ教育に対する理解のみならず、明日から、いや「今、ここ」からの子育てに関する一助になればと存じます。
※定員になり次第お申込みの締切とさせていただきます。
お申込みは以下より。是非お越しくださいませ!!
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お話会の御礼とご質問のご回答について
先日の9月30日(土)にオンラインにて実施させて頂きました、園舎代表によるモンテッソーリ教育お話会では多くの方々にご参加頂き、誠にありがとうございました。
1時間という短い時間となりましたが、少しでも皆様の「今、ここ」への一助になっとれば幸いでございます。
時間内の枠で収まりきらなかった2つのご質問についてこちらにてご回答させて頂きます。
Q1.親が子どもの成長に合わせた接し方を貴園にて学べる機会はありますか?
A.当園では、今回のようなお話会を定期的に行っております。毎回テーマは違いますが、保護者の方が自由に参加したり、考えられたりするような機会を設けたいと考えております。
早速ですが直近では、10月14日(土)10:30から元京都モンテッソーリ教師養成コース、コース長の岡山眞理子先生をお招きして対面での講演会を予定しております。
こちらの講演会は大阪市天王寺区のご後援を受けどなたでもご参加いただけますので、是非ぜひ、皆様ご参加ください!!
お申込みのリンクも貼っておきますね。
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Q2.子どもがある教具には一切興味を示さないままということはありますでしょうか?
またアシスタントの方もモンテッソーリ資格を取得されているのでしょうか?
A.当然可能性としては考えられますが、殆ど一通りは出会うと考えます。(教師が適応年齢期に誘ったり、自分でアクセスしたり。決して触れさせなければならないという考えではありません。)モンテッソーリ教育では、アシスタントの免許も存在しております。当園では、基本的にディプロマホルダーとアシスタントの先生が所属しております。
何卒、よろしくお願いいたします。
モンテッソーリ教育全国大会
去る8月4日(金)愛知県は豊橋にて行われましたモンテッソーリ教育の全国大会にて発表をさせて頂いてまいりました。
題材は「日本の初等教育からみたモンテッソーリ教育の有効性」です。
一昨年の高知大会から発表からさらに深掘りした内容となります。
当園の子ども達のような、幼児期にモンテッソーリ教育を受けた子ども達の殆どが日本の学習指導要領に基づいた小学校の教科教育に進みます。
幼児期に自ら主体的に行った様々なモンテッソーリの「おしごと」と呼ばれる活動。
それがその後の日本の小学校の教科教育に充分に活用できる事。その蓋然性における関連とその有効性を元小学校教員である園舎代表が学会で発表させて頂きました。
高津学院幼稚舎の子ども達が小学校以降、そしてその先の人生をも主体的に歩んでいけるよう、そして「今、ここ。」を大切にまた、更に研究と修養を続けてまいりたいと思います。
モンテッソーリのおしごと紹介します~感覚教育編~⑥
今回は「雑音筒」になります。
異なる大きさの粒が入った筒を手で握って振り、音を聞き分けてペアを作るおしごとです
。
わずかな音の違いを聞き分けることにより鼓膜と脳のつながりを発達させます。
この後の活動と合わせて、雑音(心地よくない音)と楽音(心地よい音)の違いが判るようになります。
低い・太い・大きな音と、高い・細い・小さな音の違いが、筒を握る掌からも感覚的に捉えられます。
筒をリズムを一定にして振り、音楽的感覚の発達が期待できます。
よく、幼少期からこのような音の違いを聴き分けていくことにより、小学校での音楽科では、歌唱はもちろん、リコーダーの演奏、鑑賞に至るまで幅広く学ぶことに有効となります。
音の違いが判り、音楽を文字通り楽しんで、好きになっていってもらいたいと願います。
モンテッソーリのおしごと紹介します~感覚教育編~⑤
今回は「色板」になります。
同じ色の板を組み合わせたり、色の濃淡に沿って板を順に並べたりするおしごとです。
色とその名前が、子どもの中で感覚的に一致していきます。
3原色からはじまり、その間の色、さらにその中での濃淡を探索します。
色板のきれいな色が魅力となって子どもの興味をひきつけます。
このおしごとで、色の識別能力はあがり、色の世界に対する視野の幅・深さが広がります。
また、様々な色の名前を把握していくことで、語彙の拡充が期待できます。
小学校の図画工作科の授業で色について深く学ぶことは多くありません。先生の技能や裁量にかなり左右されることもあります。
モンテッソーリ教育で、幼児期の早い段階から色の種類や濃淡を理解していくことは今後にとっても大切になってくると考えます。
モンテッソーリのおしごと紹介します~感覚教育編~④
今回は「茶色の階段」になります。
太さの異なる積み木を、太さの漸次性に沿って並べるおしごとです。
「ふとい」「ほそい」の意味を正しく捉えていきます。
太さに比例して「重さ」の違いも体感します。
太いものから順番に並べ、階段を作ります。
語彙の拡充に繋がり、10段階の漸次性を確認します。十進法の感覚的体験により数学的頭脳を高めます。
簡単に見えるようで、子どもたちが取り組んでいる所をみると、結構順番に並べられていないことが多いことに驚かされます。
このような気づきの中から座学ではなく、実際の子どもの「動き」や「考え」を大人と比較しながら観察していくのがとてもおもしろいです。
モンテッソーリのおしごと紹介します~感覚教育編~③
今回は「桃色の塔」(ピンクタワー)になります。
大きさの異なる立方体を、大きいものから漸次性に沿って積むおしごとです。
こちらも子どもたちの「さわってみたい。」という興味を惹きつける魅力的な教具です。
「おおきい」「ちいさい」も言葉の意味を正しく捉えていきます。
つまむ動きで微細運動の発達を促します。
10個積みあがった時の達成感が、子どもの喜びや満足感を生み出します。
知的面、運動面での言語発達や数学的頭脳・秩序・手先の洗練にも繋がります。
大きさの違いを具体的に理解していくことで小学校にでの立方体の体積を求めるときの理解に役立ってくるものと考えます。
モンテッソーリのおしごと紹介します~感覚教育編~②
今回は「赤い棒」の教具です。
長さが10段階に異なる棒を、漸次性に沿って並べるおしごとになります。
比べて体感することで「ながい」「みじかい」の言葉を正しく捉えます。
長いものを運ぶ時の、正しい持ち方を理解します。
端をそろえることで、違いが分かりやすくなることを発見します。
「ながい」「みじかい」のどの形容詞をを知り、正しく話すことに繋がります。
十進法の要素の中から数学的頭脳を育てるスタートになります。
実際の長さの違いを「いくつぶん」というように具体的に視覚と触覚で理解することは、幼児期においてとても重要になります。
具体から抽象という流れは今後のモンテッソーリ教育の考え方にもたくさん出てくることの1つになります。
モンテッソーリのおしごと紹介します~感覚教育編~①
日常生活の練習編に引き続き、感覚教育編に移っていきます。
今回は「はめ込み円柱」。体験レッスン等でも子どもたちが必ずと言っていいほど真っ先に興味を持つおしごとの1つ。
土台の大きさを見て、サイズの合う円柱を差し込むおしごとです。
「つまむ」という動きの獲得により、指先の感覚を洗練します。
パズル的要素もあり、子どもの探求心を満たします。
それぞれの円柱における大きさや高さについての、一次元、二次元、三次元の変化を感覚的に体験します。
(例えば、高さは同じだけど、円の大きさが違う、円の大きさは同じだけれど、高さだけが違うという具合)
これら、円柱のつまみを三本指で持つことにより書くための準備にも繋がります。
さらには、数学的頭脳、立体空間把握能力を養っていきます。
このように自然な流れの中で指先を洗練させていったり、立体の空間を把握できたりする能力を幼児期から培うことはとても意味と意義のあることだと考えております。
この土日に、とある子どもの発達に関する研修で臨界期の講義を受けたとき、幼児期に一定の期間を過ぎると習得することが困難になる技能が多くあるということがでてきました。(例えば、英語のrとl、eとoとaの発音)
モンテッソーリ教育は、「敏感期」(幼児期におけるある特定の事柄に対して強い強い感受性が表れる時期)という言葉を用いて幼児期の発達を説明しました。
幼児期において様々な環境の出会わせ方やこのような科学的根拠に基づいた教具に出会うということが、どれだけ今後の子どもたちの人生に良い影響をもたらしていくことがあるのか、今後の興味深いテーマの一つとなっています。
モンテッソーリのおしごと紹介します⑮
モンテッソーリ教育のおしごと「日常生活の練習」の分野も終盤に入ってきました。
今回は「着衣枠」のおしごと。
それぞれの着衣枠の要素を練習するおしごとになります。
あらゆる種類の布のとじ方を取り出した着衣枠。
蝶々結び(花結びや蝶結び)、ボタンやジッパー、安全ピンに至るまで(他にもあります)子どもたちが初めて出会う「留める」という作業を何度も練習することができます。
これを繰り返すことで、自分で衣服の着脱ができ、自立・自信を持つことに繋がります。小学校の低学年では体操服に着替えるときに自分の服の着脱が上手くできずに困っている児童がいると言います。
また、マジックテープの運動靴しか履いたことがない児童もおり、蝶結びができない児童にもたくさん出会いました。
手先の洗練により、「日常生活の練習」以降の活動にも繋がります。
先日、モンテッソーリ教師である保育士との話の中で、モンテッソーリ教育の中の「日常生活の練習」の本日も紹介したような、様々な手先の技能の習得や、それぞれのやり方を「正しい方法」しか「知らない」ということが、とても子どもたちにとっては幸せなことなのだと気づきました。
皆さんも蝶結びの正しい方法はご存知でしたか。私は間違えて覚えていました。
前回の弊園にて行われました岡山先生のモンテッソーリ講演会のお話の中にも、「0歳から6歳までに得た知識は、6歳から生涯の知識を上回る」というお話にも納得ができます。生まれてたくさんの「吸収」ができる幼児期に様々なことを「自分でできるようになる」ということが、言葉だけではない本当の「自己肯定感」に繋がっていくのではないでしょうか。
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