自分で決めること
登園する前から「今日はこれをしよう!」と決めてくる子もいれば、
「なにをしようかな〜」とお部屋の中をぐるっとしながら考える子もいます。
自分でやりたいことを見つけて取り組むサイクルを大切にしていますが、子ども達が自分で活動を選べずにいる時は助け舟を出すこともあります。
この子にはこの分野ならコレ!とそれぞれにこちらが紹介したい活動はありますが、ここでも大切なのは本人の意思を尊重すること。
こんなのはどうかな?
これか、これならどっちがいい?
聞きながら、答えが出るまで、迷う時間もゆっくり待ちます。
子どもたちは遠慮なく自分と向き合ってから
んー…どうしよっかなぁ、、
それはしない!
コレにする!
と自分の意志で決め切ります。
やらされる活動には何の意味もありません。
子ども達は優しいので、大人がやって欲しいと願っている気持ちを敏感に読み取ります。
だからこそ、あなたの選択に任せるよ!とアピールするくらい本人の言葉を目を見て聞きます。
活動の自己選択は自分が尊重される経験にも繋がり、この経験の積み重ねが子ども達の自信や責任感にも繋がっていくものだと考えます。
修復力
「スポーツカーの折り方調べて」
「ガチャガチャの作り方調べて」
と、子ども達は作りたいものの作り方がわからない時、ネット検索を一つの選択肢として持っています。
検索結果の中から参考までに選ぶのですが、小さい子は迷わず最もクオリティの高いもの(もちろん一番難しい)を作ろうとします。
それがだんだん大きくなると、自分に出来そうな中での最大限クオリティの高いもの、くらいの妥協を自分で出来るようになります。
己の能力をよく理解しているからこそ、そうした選択も出来るようになるのでしょう。
自分のことを客観的に見る力は、ネガティブな感情からの修復力にも繋がっているそうです。
子ども達の選択ひとつからも様々な成長が見えるものですね。
朝の会
子どもたちは集団の一員として過ごす中で、自然と"いま自分がどう振る舞うべきか"ということを考えて行動できるようになります。
毎日、朝の会では絵本の読み聞かせをしています。
絵本には(◯歳〜向け)と対象年齢の目安があり、小さいお友達にとっては少し難しい本の日もあります。
もちろん難しすぎると途中で飽きてしまうのですが、そんな中でもあっちこっちに動いたり声を出したりすることなく、全員がジーッと最後まで座って参加出来るようになってきました。
朝の会は座って静かに参加する、というルールを周りを見て理解し、そのルールを守る為の自己コントロール力がついたのです。
朝の会は1日の中で短い時間ですが、一人一人の自立があってこその大切な集団の時間です。
個の育ちがあるからこそ集団の成長が見え、集団があるからこその個の成長もあるのだと、改めて子ども達に教わった日でした。
間違い
私たちモンテッソーリ教師は、子どもたちが間違っていても "訂正しません" 。
子どもは否定されると心を閉ざしてしまうからです。
しかし、間違っていることを間違ったまま放っておく訳でもありません。
その場で「違うよ、こうだよ」と言う代わりにまずは、間違っているなぁ…という事実を頭の片隅に留めておきます。
そして、日にちや時間を変えて全く関係のないタイミングで伝え直すのです。
例えば数字をスラスラと書ける子がいて、
でもその書き順やバランスが間違っているとき。
楽しそうに書いている時は、間違っていても静かに見守ります。
そして次の日「一緒に数字の書き順を紹介したいんだけど…やってみる?」などと誘い、改めて紹介し直します。
すると子どもは否定されることもなく、
「ああ。こうやって書くんだった」
と、自分の中で間違っていた部分と照らし合わせながら自己訂正をしていきます。
子どもを否定することなく
「教えながら教えなさい」
とマリア・モンテッソーリは言いました。
子どものできた!を奪わずに、正しいことを伝えられる方法は、子どもを尊重する上でもとても大切にしたいものです。
教えてもらうこと
今日も一日、集中した子どもたちの顔が印象的でした。
おしごとに誘うと、やりたい!やってみる!ととても意欲的な子どもたち。
こちらも誘うのが楽しくなってしまいます。
以前は少し難しいと「やめとこうかな」「もうやめる…」と言う子どもたちもチラホラいました。
しかし日々の小さな自信の積み重ねから、挑戦する気持ちが芽生えたり、少し踏ん張る力が生まれてきたようです。
どの子どもにも、やってみたい!に繋がる日は必ずきます。
スキルや知能のレベルだけでなく、子どもたちの心の成長を見ながら、誘うおしごとを選ぶのも教師の役割だと思っています。
その為にも子どもたちと目を見て沢山お喋りをして、心を寄せて、今どんなことをどんな風に捉えて考えて過ごしているのか、一人ひとりから日々教えてもらっているのです。
子どもたちの活動
子どもたちの活動は、大人の想像を超えた発展や楽しさがあります。
毎日同じことのようですが、毎日違います。
今日は園舎内で焼肉屋さんがオープンしました。
手作りの焼き網、お皿、コップ、トング。何が必要かを友だちと相談し、役割分担をして進めていきます。
お店の人もお客さんもみんなが笑顔でした。
人気がありすぎて、お客さんはお店の外で待っています。お店の人はお客さんが並んで待てるように、誘導までしていました。
そこには、小さな社会ができていました。
毎日使っているチラシが、素敵な活動に発展していきます。
全ては、日々の積み重ねがあるからこその発展です。
毎日の活動を、見守っていきたいですね。
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