気品と礼儀
子どもたちは、毎日自分のやりたいことに取り組んでいます。
それが友だちとの共同活動だったり、1人での探求であったり様々です。
友だちに付き合うこともあるでしょう。もちろんその反対もあるでしょう。いづれにしても、自らが選んだことです。
子どもたちとの約束は、「友だちの邪魔はしない」です。邪魔というのは、友だちのお仕事を邪魔をするだけではありません。室内で大きな声を出すことが、邪魔になることもあります。使った物を出したままであることが、邪魔になることもあります。これは、一緒に過ごす人への礼儀であり、子どもたちの心にももちろんあります。
一人ひとりの自由が今日も保障された空間で、子どもたちは心を満たしていました。
そして、そこにはいつも笑顔があります。
今年度も数日となりました。年長児と過ごすことができる最後の時間、みんなで大切に過ごしたいです。
本日は、お忙しい中、保護者会(お話会)にご参加いただき、誠にありがとうございました。
自立と自律
自立と自律
同じ発音ですが、全く違う意味を持つ二つの言葉。
自立とは「親などの他の人やものに頼ることなく、独り立ちしていること」
今の子どもたちで言うと、「自分の身の回りのことができること」でしょうか。
そして、自律とは「自分で考えて自身をコントロールできること」
この自律を子どもたちは、自分で成長しようとしています。
朝の会のように全園児が集まったり、戸外活動での社会で活動するときに、その成長は、顕著に見られます。
学年ごとに、明らかに成長度合いに違いが見られます。1年前、2年前、3年前の姿を思い出すと、素晴らしくコントロールする力が付き、自律が進んでいると言えます。
言い換えれば、1年後、2年後、3年後の姿が、すぐそばにあると言うことです。
年上の友だちに憧れをもち、年下の友だちには、してもらったように優しくできる。
そうして、高津学院の歴史は引き継がれていくのだと思っています。
活動のサイクル
近頃数字に興味を持ちはじめて、書きたいと思う気持ちが出てた園児がいました。
書いてみるけど、思うようにいかない様子でした。そこで、砂文字盤に誘いました。砂で数字を形どっている部分を、指でなぞる教具です。
「やってみる!」と笑顔で始めました。初めは、1度書いて終わろうとしましたが、もう1回と促しを数回するうちに、次第に自分で「もう1回」と声を出して何度もするようになりました。そして、紙に書いてみました。すると先程まで苦戦して書いていた数字が、自分の思っていた形に書くことができました。とても嬉しそうでした。時々失敗もありますが、できたことへの喜びの方が大きいようでした。
納得いけば、次の数字へと進みました。
同じことを繰り返し、その日は1から7まで終えた時に、朝の会の時間となりました。
「今日は、これで終わる。」
「疲れたー。」
「でも、楽しかったー。」
と、素敵な笑顔であったことは、言うまでもありません。
自由に選ぶ→繰り返す→集中する→達成感をもって終わる、 という四つのステップをモンテッソーリ教育では「活動のサイクル」と呼びます。
この「活動のサイクル」を経ると、子どもの心は安定します。子どもの内面から生きる喜びや自尊感情が育つと言われています。
集中にこだわると、達成感より疲労感を感じることになるかもしれません。
「活動のサイクル」は、子どもたちのその時の気持ちを正直に、表してくれるのではないでしょうか。
自分で決めること
登園する前から「今日はこれをしよう!」と決めてくる子もいれば、
「なにをしようかな〜」とお部屋の中をぐるっとしながら考える子もいます。
自分でやりたいことを見つけて取り組むサイクルを大切にしていますが、子ども達が自分で活動を選べずにいる時は助け舟を出すこともあります。
この子にはこの分野ならコレ!とそれぞれにこちらが紹介したい活動はありますが、ここでも大切なのは本人の意思を尊重すること。
こんなのはどうかな?
これか、これならどっちがいい?
聞きながら、答えが出るまで、迷う時間もゆっくり待ちます。
子どもたちは遠慮なく自分と向き合ってから
んー…どうしよっかなぁ、、
それはしない!
コレにする!
と自分の意志で決め切ります。
やらされる活動には何の意味もありません。
子ども達は優しいので、大人がやって欲しいと願っている気持ちを敏感に読み取ります。
だからこそ、あなたの選択に任せるよ!とアピールするくらい本人の言葉を目を見て聞きます。
活動の自己選択は自分が尊重される経験にも繋がり、この経験の積み重ねが子ども達の自信や責任感にも繋がっていくものだと考えます。
修復力
「スポーツカーの折り方調べて」
「ガチャガチャの作り方調べて」
と、子ども達は作りたいものの作り方がわからない時、ネット検索を一つの選択肢として持っています。
検索結果の中から参考までに選ぶのですが、小さい子は迷わず最もクオリティの高いもの(もちろん一番難しい)を作ろうとします。
それがだんだん大きくなると、自分に出来そうな中での最大限クオリティの高いもの、くらいの妥協を自分で出来るようになります。
己の能力をよく理解しているからこそ、そうした選択も出来るようになるのでしょう。
自分のことを客観的に見る力は、ネガティブな感情からの修復力にも繋がっているそうです。
子ども達の選択ひとつからも様々な成長が見えるものですね。
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