集中
モンテッソーリ教育では集中をとても大切にしています。集中を通して、心も体も頭も発達するからです。
集中して、よし。終わりにしよう!と本人がやり切った時、子どもたちは本当に満足そうな、幸せそうな顔を見せてくれます。
子どもたちが集中できる為には何より、一人ひとりに合った活動が必要です。
簡単すぎてもダメ。難しすぎてもダメ。
ちょっと難しい!が子ども達を集中へと導きます。
今日は例えば、
お米のもみすりに集中する子
のり貼りに集中する子
製作に集中する子
おたますくいに集中する子
刺繍に集中する子
アンコールワットの切り抜きに集中する子
サイコロ足し算に集中する子がいました。
他にも沢山で、毎日本当にさまざまです。
中には五十音を"あ〜ん"まで言ってみたり、時計の針を読んだり、ひたすら1000まで集中して唱えている子もいます。
それぞれが自分達のタイミングで過ごすことのできる空間が、一人ひとりの集中を可能にしているのだと考え、環境を準備します。
人間の傾向性
モンテッソーリ教育の理論を学んだ時は"そうなんだ〜"程度の理解だったことが、実際に子どもたちと関わる中で"ほんとうだ"と再確認することがよくあります。
その一つに、『人間の傾向性』という理論の中で学んだ「人間はより良く生きようとする傾向性」があります。
文明がここまで栄えていることからも、「生活をもっと便利にしたいと考える人が常にいたからだ〜、ありがたいなぁ…」くらいには思っていたのですが、子ども達はより細かくその事実を教えてくれました。
おはじきを並べる活動においても、ただ並べる→真っ直ぐ並べる→向きを揃えて並べる→色をパターン化させて並べる
と、自分で新たな課題を設定して難易度を上げていきます。
アイロンビーズを見ていても、
バラバラに埋めていく→端から→真ん中からと難易度を上げたり、
色は選ばずモザイク状に→全てピンク系など→部分ごとに色の違いをつくってデザインしながら…(最後の写真)
などと、自分で決めて、難易度をあげていきます。
難易度をあげるのは、より細かく、より綺麗に、より完成度を高くしている証拠です。より良くしたい!という人間の傾向性が子ども達の活動からよく見えるのです。
面白いですね。
誇り
当園舎では、保育士や子育て支援員、幼稚園教諭に加えてモンテッソーリディプロマをお持ちの先生がおられます。
どの先生方もそれぞれに「プロ」としての自覚とプライドを持って頂けていると感じます。
提供の練習をしたいので、勤務日以外に来ても良いですかと練習に来て下さる先生。朝の会で読むため、子ども達の為に絵本を自宅から持って来てくれる先生。子ども達に常に寄り添い、一人ひとりの成長を喜び合える先生方の会話の声。
目には見えない影の努力をして下さる先生方。私は公務員(教員)を辞し本当に信頼のおける先生方と本気の園を創りたいと願って高津学院幼稚舎を創立しました。
5年目の今。本当に同じ方向で共に走らせて頂けることに感謝し、私自身も園長として今後も研鑽を続けていきたいと思います。
敏感期
0〜6歳までの子どもたちには"敏感期"という特有の時期があります。
運動の敏感期、感覚の敏感期、言語の敏感期、数の敏感期、秩序の敏感期、小さいものへの敏感期などです。
それぞれの敏感期が、それぞれの子どもに、それぞれのタイミングでやってきて、成長をググッと後押ししてくれます。
例えば"小さいものへの敏感期(大体1〜3歳)"には、小さいものに対する興味が強くなります。とにかく小さい虫や石やゴミを見つけては摘み、あったよー!と持ってきてくれます。
これによって観察力や指先の器用さの発達が促されます。
他にも"秩序の敏感期"には、順番にこだわりを持ったり、着ていく服や靴にこだわりを見せたりします。同じ場所、同じもの、同じ人でないと泣いたり怒ったりすることも多いでしょう。
これは子どもたちが、世の中に対する安心感を育んでいる真っ最中の証です。
毎日ちがう時間に、ちがう場所に行って、ちがう事をするなんて想像すると、大人でも疲れますよね。
特にこの時期は"当たり前"を数少ない経験値から見出している真っ最中でもあります。
敏感期を知って、「いつも同じ」ということが子ども達にとってどれほど大切かを分かってあげられると、子どものこだわりをただワガママと捉えずに理解してあげやすいかもしれませんね。
それぞれの過ごし方
まわりの子があれこれと活動するなか、じーーーっとほかの子を見ているだけで1日を過ごす子どももいます。
大人としては心配になるかもしれません。
でも大丈夫。
これは子どもが発達していく上でとてもとても大切な"見て学ぶ時期" なのです。その期間が長い子もいれば 短い子もいます。
ダムのように じぶんのなかにたくさんの情報をためている時期。
知識としてとらえたものが十分にため込まれると、その子の内側からしぜんにに自分でやってみたい!と思う時期が必ずきます。
本人の興味が芽生えたその時が、子どもがグーンと伸びるタイミングです。
その子の興味がしっかりと満たされる活動を用意してあげたいと思います。
モンテッソーリ教育講演会
土曜日には当園主催の講演会を無事開催することができました。
「敏感期」や「吸収精神」というモンテッソーリ教育において大切な部分を岡山先生は実例に基づきながらわかりやすくお話下さいました。
笑いあり、涙あり、1時間があっという間に過ぎ去ってしまいました。
ご参加頂いた方々のご感想の中には、「一生忘れることはない」「涙が溢れました。」など心揺さぶられる内容のものも多くありました。
「人との出会いが人生を根底にから覆すことがある」大学院の時に教わったこの言葉。
まさに、岡山先生や深草子どもの家の根岸先生との出会いは私にとっても本当に宝物でございます。
本当にこのような素晴らしいモンテッソーリ教育についての捉え方のバトンを私達がうまく繋ぐ事ができるかどうか。それが大切になると感じました。
岡山先生の心のこもった「語り(narrative)」を刻み、今後も子ども達の自立と自律の援助を続けていきたいと思います。
岡山先生、本当にありがとうございました。
将棋界
将棋界では史上初めて、藤井聡太棋士が日本の全タイトルを獲得しました。
日本におけるモンテッソーリ教育も藤井聡太棋士が受けた教育として一気に知名度が上がった事は言うまでもありません。
それ以外にも海外では、
Amazonの創始者 ジェフ・ペゾフ
Googleの創始者 ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン
マイクロソフト創始者 ビル・ゲイツ
アメリカ合衆国元大統領 バラク・オバマ
アンネの日記の著書 アンネ・フランク
がモンテッソーリ教育を受けた著名人として周知となっております。
私は彼らの社会的な成功というよりも、共通点として、
・新しいことや挑戦に臆することがない。
・お金や地位や名誉ではなく、自分がどう生きるのか
・突き詰めていった先が誰もなし得なかったことに過ぎない
という所にあると考えています。
園舎の子ども達を見ていると、自分で決めて行動することは当たり前の事で、おしごとや製作に没入すると誰に言われずとも1.2時間はずっと座って何かに集中してる姿が見られるます。
幼い頃からこのような日常が習慣となり、大人になっていっても、自らの目標を設定し、それを達成していくことに喜びを感じながらも、社会や他者との尊敬や協力を惜しむことはない。
高津の子らに私は社会的な成功を願ったり、彼らのように有名人になってもらいたいとは考えておりません。
しかしながら彼らと同様様々な困難に打ち勝ちながらも、自分の人生を大切に、そして「主体的」に過ごして欲しいとそう切に願っております。
いよいよ明日に控えました元京都モンテッソーリ教師養成コース、コース長の岡山眞理子先生をお招きして対面での講演会。
こちらの講演会は大阪市天王寺区のご後援を受けどなたでもご参加いただけますので、是非ぜひ、皆様ご参加ください!!まだお申込み可能です!
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