連鎖
子どもたちは毎日自分の時間を過ごしますが、同時に周りの子がやっている活動にはアンテナを張っています。
今日は数の引き算のおしごとを、年長さん3人がやりたい!と始めました。
するとそれを遠くから見ていた子たちがスーッと近づいてきて、ほかの数の活動を選び、近くに座って取り組んでいました。
あれはまだ僕には早い、と分かっているようでしたが、いつか出来るようになることも、分かっています。
一歩先だけでなく三歩先が見えているのは、縦割り保育の一つの特徴でもあります。
そしていつか憧れのお兄さんお姉さんがやっていた教具をさわる日がくると、子ども達はやっと私・僕の番!!!と目をキラキラさせるのです。
少し難しく
簡単なことよりも、むしろ少し困難なことの方が子ども達には人気があります。
以前は塗り絵のマンダラ模様が人気でした。
細かく色を塗り分けることも、パターンを考えながら塗ることも、新鮮で少し難しかったからです。
簡単になってくると、より難しいものや 手応えのあるものを求め始めます。
そんな子ども達に、今回はステンシルの活動を用意してみました。
色鉛筆でザーッと塗り込んでいたところを、絵の具を付けた小さなスポンジで叩くように塗り分けていきます。
見た目以上の忍耐が必要で、子ども達にもやり込む要素があります。
今日は年長さんが次から次へと手を伸ばしていました。
きっとチラチラ見ていた年下のお友達も、その内に挑戦してくれるのでは…と楽しみにしています。
愛情
高津学院の子ども達は、愛に溢れています。惜しみなく、大好きだよと伝えてくれます。
顔を見て、寄ってきて、全力でハグをしてくれます。
人として、これほど大切なことはないと思っています。
きっと生まれた時から、家族にたくさん愛情を注いでもらってきたのでしょう。
この幼児期に無条件に愛され、人を愛する心を持っている子ども達は、大人になってからも愛を分け与えてあげられる人になると信じています。
愛情に注ぎすぎはありません。
目を見て話を聴いてあげること、
相手の意見を否定しないこと、
大好きだよと伝えてハグすること。
私達も、どれも大切にしたいな、と思います。
集中
モンテッソーリ教育では集中をとても大切にしています。集中を通して、心も体も頭も発達するからです。
集中して、よし。終わりにしよう!と本人がやり切った時、子どもたちは本当に満足そうな、幸せそうな顔を見せてくれます。
子どもたちが集中できる為には何より、一人ひとりに合った活動が必要です。
簡単すぎてもダメ。難しすぎてもダメ。
ちょっと難しい!が子ども達を集中へと導きます。
今日は例えば、
お米のもみすりに集中する子
のり貼りに集中する子
製作に集中する子
おたますくいに集中する子
刺繍に集中する子
アンコールワットの切り抜きに集中する子
サイコロ足し算に集中する子がいました。
他にも沢山で、毎日本当にさまざまです。
中には五十音を"あ〜ん"まで言ってみたり、時計の針を読んだり、ひたすら1000まで集中して唱えている子もいます。
それぞれが自分達のタイミングで過ごすことのできる空間が、一人ひとりの集中を可能にしているのだと考え、環境を準備します。
人間の傾向性
モンテッソーリ教育の理論を学んだ時は"そうなんだ〜"程度の理解だったことが、実際に子どもたちと関わる中で"ほんとうだ"と再確認することがよくあります。
その一つに、『人間の傾向性』という理論の中で学んだ「人間はより良く生きようとする傾向性」があります。
文明がここまで栄えていることからも、「生活をもっと便利にしたいと考える人が常にいたからだ〜、ありがたいなぁ…」くらいには思っていたのですが、子ども達はより細かくその事実を教えてくれました。
おはじきを並べる活動においても、ただ並べる→真っ直ぐ並べる→向きを揃えて並べる→色をパターン化させて並べる
と、自分で新たな課題を設定して難易度を上げていきます。
アイロンビーズを見ていても、
バラバラに埋めていく→端から→真ん中からと難易度を上げたり、
色は選ばずモザイク状に→全てピンク系など→部分ごとに色の違いをつくってデザインしながら…(最後の写真)
などと、自分で決めて、難易度をあげていきます。
難易度をあげるのは、より細かく、より綺麗に、より完成度を高くしている証拠です。より良くしたい!という人間の傾向性が子ども達の活動からよく見えるのです。
面白いですね。
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