モンテッソーリ教育で育った子ども
近頃、明らかに教員時代よりも多くの保護者の方々(特にお母さん)と日々お話する機会があります。
もちろん小さな園ですから、当然と言えば当然のことではあるのですが。
しかし、はっきりとしていることは、お母さん方が、子ども達へ健やかな成長と主体的な人生を歩むことを切に願っているということです。
その思いはとても偉大で「母の強さ」に敬意を表すばかりでございます。
そんな中私が保護者の方からよく受ける前回述べた以外の質問の中に「モンテッソーリ教育を受けた子ども達ってどんな風に育つのですか?」というものです。
これは、私自身が1番興味深く、この先もずっと見ていきたい共通のテーマでもあります。
そんな中、ヒントになる本からの抜粋を紹介します。
相良敦子先生著「モンテッソーリ教育を受けた子ども達~幼児の経験と脳~」によると、モンテッソーリ教育を受けた子どもたちに共通する項目が以下に通りです。
・順序だてて、ものを考えることが出来る。
・なにをするにも、計画を立て、順序を踏んで、着実に実行する。
・段取りがよい。
・先を見通すことができる。
・1から出発する。
・省略しない
・状況の読み取りが速く、臨機応変に対処することが出来る。
・わずかな差異に気付き、道徳性が高い。
・ひとりで、たじろがない。責任ある行動が出来る。
・礼儀正しい。
確かに園舎でもその片鱗を見せてくれている園児がいます。それはモンテッソーリ教育の毎日の生活の中で育っていくものだと、日々子どもたちの活動をみていると感じさせてくれます。前半はまさに現在日本の教育界でも注目され、プログラミング教育などでつけようとしている「論理的思考力」であると感じました。又後半は「主体性」と「社会性」があるということになります。
表面上の礼儀正しさや主体性ではなく、本当の意味での「生き抜く力」を園舎でもつけていってもらいたいと考えます。
大学院の時の恩師の言葉がいつも浮かびます。
「自分を助けることが出来るのは、自分だけなんだ。」我々学生に向けて指導の意味での言葉だったと思いますが、今でも私の胸に刻まれています。
そのような力を、本当に様々な事を吸収する幼児期に、非認知能力の中からそして「生活」の中で自然とついていけるようになれば、そんな素晴らしいことはないと考えます。
もちろん、上記のことはデータ量の事や一概に言えないということも理解しながら、今後も子どもの成長を見つめ続けていきたいと思っております。
また、この本の中に保護者の皆様の疑問に答えられるような箇所があれば随時紹介していきたいと思います。
※出展:相良敦子(2009)「モンテッソーリ教育を受けた子ども達~幼児の経験と脳~」河出書房新書,P14