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プロフェッショナル - 高津学院幼稚舎-大阪市天王寺区にある幼稚舎

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コラム

プロフェッショナル

カテゴリ: ブログ 作成日:2019年05月07日(火)

小学校教員時代、新任のころには毎日懸命に子どもたちと接し、私のつたない授業や学級経営にも、いつも子

どもたち助けられていたんだということは今になって痛感します。

 

思えば子どもたちは純粋な心で「知りたい、わかりたい、できるようになりたい」誰もが思っているのだと考えます。ですから、その思いに対して経験が少し不足してようが、教師が「知らせてあげたい、わからせた

 い、できるようにさせてあげたい」の願いや思いが強くあれば、教師と子どもの思いがぶつかり合い火花のように散り、花火のような授業が展開され、少々のミスは子どもたちによって救われていたのだと思います。

 

一方、何十年と教師生活を送られておりベテランと呼ばれる先生でも学級崩壊を迎えるクラスにも残念ながら

遭遇しました。逆に新任の先生でも様々な困難を乗り越えながら、クラスをまとめられる先生もいました。

その理由を考えるとき、やはり根本的には「授業」にあると考えます。子どもたちは基本的に一緒に遊んでく

れる先生が大好きで、年の近い、若い先生も大好きです。ですが、決して年配の先生が嫌いというわけではあ

りません。全く子どもたちと遊ばない先生であっても完璧にクラスをまとめられる先生もおられました。その先生方の共通点は「授業」にありました。形こそ少し違うのですが、専科のプロフェッショナルの先生方です。

 

 

理科のN先生。私が新任の5,6年担任の頃、この先生に専科として理科の授業を受け持って頂いていました。

 

京都大学出身のこの先生は一見博士のような外見、しかし怒ると若かった私の声よりも大きな声で子どもたち

を叱ります。(高学年の理科の授業は危険の伴う実験もある為)しかし、子どもたちからこの先生の悪い噂を聞いたことはありません。逆に理科の授業が好きな子どもたちがたくさんいました。

 

N先生は信念をもって「仮説実験授業」という理科の授業法を実践されていたのです。このN先生は「ことば」や「文章」についても非常に大切にされており、私も多くの場面でご指導していただきました。(注意されたこともたくさんあります。)ご在職中もご退職させた後にも、指導案という教師が書く授業の流れ示したものを添削していただきました。(いつもはじめは先生の赤ペンでまっ赤でした)今もなお、お手紙等でやり取りをさせて頂いております。

 

 

次に3年生担任の時に音楽の授業を担当してくださったS先生。

 

小学3年生はリーコーダーとの出会い。

 

子どもたちははじめ、とても意欲的にリコーダーを吹けるようになりたいと願っています。しかし、音楽の授業には落とし穴が存在します。それは全体で演奏したり合奏したりするときにできてる子や、大きな声の子どもたちに隠れて、できていない子を把握することが難しくなるのです。しかし、このS先生は違います。授業中、1人1人のリコーダーの音色を毎時間確認していくのです。しかも他の子どもたちは待たせます。

 

これは普段からクラスの子どもたちと接する担任でも至難の業です。S先生の指導ははっきりしていました。

 

「皆さんが少しでも大きな音を立てると友だちのリコーダーの音が聞こえなくなってしまいます。」子どもたちは基本的にクラスメイトのことを大切に思っています。そして、実際自分が上手になっていくことが実感できる授業なので子どもたちはリコーダーの演奏が上手に吹けるようになっていき、「音楽」の授業が「好き」になります。

 

このサイクルが出来上がると授業はしっかりと進んでいきます。

 

この2人のベテランの先生方が子どもたちと外で走り回っている所を見たことはありません。

 

お二方は長い教師経験の中で私たちの何十倍も経験されたくさんの省察されて来たのだということが、授業の中で分かります。

 

S先生のリコーダーの授業を真似て、1度同じような指導を試みたことがあります。全く自分に真似でき

るものではありませんでした。

 

まだまだ、研鑽が必要だと感じました。

 

私は幸運にもこの先生方に授業をみせて頂くだけでなく、たくさん自分の授業をみていただきアドバイスも頂

戴しました。S先生には3年生の学年のはじめ、私の日常生活の指導に「先生、細かすぎるんと違う?子ども

たちあまりわかっていないかもよ。」と意見を頂きました。

 

しかし1年後、担任生活で授業も含めた多くの場面をご覧いただく中で、

 

「先生が学年のはじめにあれだけ細かくしてた意味が分かったわ。あれが今になって生きて来てるんですね。」

 

あの言葉は忘れることはできません。

 

教師としてのパーソナリティという側面で勝負できる場面は限られています。教師が「授業」をデザインするプロフェッショナルとしての自覚、そして、実践。このことが子どもたちにの成長に大きく関わるのだと考えています。

 

この先生方にお会いでき、ご指導いただけたことは私の教員人生の根幹であり、宝物となっております。

 

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